アレクサンダーテクニーク 思考と心 練習 身体の仕組み

あっちが直ればこっちが悪くなる

何かのキッカケで奏法を変えるとき一部のクセが直ったとしたらそのほかに新たに有害なクセが生まれいないことを確かめることはしていますか?

音程が下がるからアンブシュアを少し締め付けてみよう。

指が動きやすいように右手親指を深めに楽器を支えてみよう。

そんな風に問題を解決するために奏法を工夫することってよくあることだと思います。

そんな時を思い出してくださいね。

音程を上げるためにアンブシュアをタイトにしたら変わったのは音程だけでしたか?

親指の位置を変えた時、変わったのは指の操作性だけでしたか?

音質や息の抵抗感や楽器の重さは変わりませんでしたか?

もちろん変わりますよね。

一箇所なにかを変えたら、連動して関係してる部分が変化するというのは当たり前のことです。

そして連動して変わった他の箇所はさらに関係する別のどこかに影響を与えます。

結局は一箇所なにかを変えたら全身が変化するものなんです。

ということは、一箇所なにか変えるのなら全身の動きのバランスを新たに取り直す必要があるんですね。

人の身体は常に微細にバランスを取り合いながらうまく機能するよう自動調整されているもの。

暑くなったら汗をかいて体温調節をするし、運動したら心臓がドキドキして全身に酸素を供給するのと同じ。

筋肉の運動についても同じで、この筋肉が働くならこっちは休む。

こっちが休むならあっちはもっとたくさん働かなきゃいけない。

そういうバランス調整の機能が備わっているのです。

だから物事の一部だけを変えようとするのは全体のバランスを混乱させ壊すことになるんですね。

一箇所上手く行ったら別のことが上手くいかなくなるっていうのはそういう全体のバランスを考えていないときが多いんです。

部分にフォーカスするときにも全体を俯瞰的に見る目を持つこと、大切なことなんですよ!

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

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